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事例1/亡くなった兄の遺産の行方事例2/こじれやすい“義理”の関係事例3/怒鳴ってこじれた兄弟ゲンカ

事例1/亡くなった兄の遺産の行方

兄がなくなって四十九日も過ぎたとき、兄の遺産について、姉に確認をしたが、姉は「遺産はない」というだけだった。

不審に思った弟は、いくつかの銀行に兄の取引履歴を請求したところ、兄の多額の預金と、それが死後に引き出されていることがわかった。
弟は、「兄の面倒を見ていたのは姉なので、正直に『兄の遺産が欲しい』と言ってくれればハンコ代程度で納得したが、遺産を独り占めする気なら法定相続分を請求したい」と考えて、弁護士に相談した。
弁護士は、姉に「預金が引き出された事実がある」、「法定相続分の遺産の引き渡しを求める」という内容証明郵便を送付したところ、姉は「兄の遺言がある」というのでその写しを入手すると、筆跡は兄のものとは異なっていた。
そのため、裁判所に遺言書真否確認の訴えを提起したところ、姉から「そこまでして遺産が欲しいのであれば法定相続分を渡す」と言われ、訴えを取り下げ、弟は法定相続分の遺産を取得することができた。

【解説】

この事例のように、兄弟姉妹が相続人になるのは、被相続人が亡くなったときに、子・孫も父母・祖父母もいない場合です。遺産分割で争いになることが多いのは、このような兄弟姉妹間であり、疎遠だったり、仲が悪かったりすると、争いも深刻化しがちです。

この事例では、姉が兄の預金を死後引き出していたようです。しかし、他の相続人には、銀行に預金の有無・残高・取引履歴などの調査を依頼することが可能なため、被相続人の預金の動きは知られてしまいます。また、銀行は、本人の死亡を知ったり、相続人から相続開始通知を受け取ったりすると、口座を凍結します。そして、相続人全員の同意がなければ、原則として預金の引き出しを拒否するようになります。

なお、兄弟姉妹は、遺産分割時に遺留分がないため、遺言書の内容によっては、法定相続分はもちろん、遺産を一銭も相続できなくなる可能性もあります。そのため、弟にとっては、遺言書の真否は大きな問題でしたが、姉の行動を考えると、その遺言書は偽造の可能性も出てきます。

遺産相続において、相続人は、財産を得ることはあっても失うことはないため、争いの原因は、相続人同士の感情的な対立にあることが多いものです。他に相続人がいる場合は、生前の被相続人との関係を踏まえながら、早めにきちんと筋を通しておくことをお勧めします。

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事例2/こじれやすい“義理”の関係

兄には妻と弟がいたが、兄が入院したとき、治療方針をめぐって妻と弟の意見が分かれ仲違いしてしまった。

兄の死後、弟は法定相続分である4分の1の支払いを求めて、家庭裁判所に調停を申し立てた。兄の遺産は妻が住んでいる土地建物しかなく、調停では、妻が土地建物を取得し、弟は代償金を現金で支払うことになった。 妻は、代償金を支払うために銀行に融資を申し込んだが、土地建物に抵当権を設定しても融資に応じてくれる銀行はなく、結局、妻は長年住み慣れた土地建物を売却する結果となってしまった。

【解説】

兄の面倒をみてきたのは妻ですから、弟に法定相続分(遺産の1/4)を取得する権利があったとしても、一般的にその権利は主張しない場合が多いと言えます。 しかし、この事例のように、“義理”の関係で感情的な対立がある場合は、争いになりやすいのです。

また、弟が相続を放棄して、妻が全遺産を相続した場合は、妻が亡くなると、もともと兄の遺産であった財産すべてが妻の父母や兄弟に相続されることになり、弟としてはひどく損をした気分になるものです。
この事例のように、遺産が不動産しかない場合、不動産を全部取得する代わりに、代償金を支払う“代償分割”がよくある解決方法です。 しかし、銀行が融資してくれず、結果、代償金調達のために不動産を売却せざるを得なくなることは珍しくありません。

これを防ぐには、被相続人が生前に遺言書をつくり、不動産は配偶者に相続させ、兄弟姉妹には残りの現金・預金を相続させるようにするか、あるいは一切相続させないようにするのがよいと思います。 または、贈与税の配偶者控除の特例が使える場合には、生前に不動産を配偶者に贈与しておくことも考えられます。

いずれにせよ、主な遺産が現在住んでいる土地・建物しかない場合は、生前に対策しておくことが大切です。

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事例3/怒鳴ってこじれた兄弟ゲンカ

母の死後、葬式は兄が喪主となり執り行われ、香典を差し引いた葬儀費用は兄が支払った。 四十九日後、兄と弟は遺産分割の話し合いを行ったが、兄は当然に自分が家を継ぐものだと考え、弟には遺産を取得させないことを伝えたところ、弟は「自分にも相続権がある」と主張した。 兄は、つい感情的になり、「誰が家を支えてきたと思ってるんだ!」と大声で怒鳴りつけた。

これを機に兄弟間の仲は決定的に悪化し、弟は兄に遺産分割調停を申し立てた。 何回かの調停の後、母の生前に預金が200万円引き出されているのが分かり、これを弟は「兄が母の預金から葬儀費用を支出した」と主張し、葬儀費用を遺産から支出することを拒否した。 一方、兄は「葬儀費用は自分で立て替えた」と主張して、遺産から支出するように求めた。結局、200万円を引き出したのが誰なのか不明なまま、葬儀費用は遺産から支出することはできなくなった。

【解説】

被相続人の配偶者がすでに他界し、子ども同士だけとなると、遠慮もなくなり、均等に遺産を取得したいがための争いになる場合が多いものです。

この事例では、母の預金から200万円を引き出したのが誰かは不明のままですが、こういったケースは珍しくありません。

葬儀費用については、遺産から支出する場合が多いと言えます。しかし、理屈のうえでは、葬儀費用は相続開始後に発生した費用であり、遺産とは別個のものです。 そのため、弟の主張は筋が通っており、相続人の一人でも遺産からの支出に反対すれば、支出することはできません。 その場合、遺産分割では遺産だけの分割を行い、葬儀費用の負担をどうするかは、別途、訴訟も含めて解決の道を探さなくてはなりません。

最後に一番重要な点ですが、相続争いは、相続人同士の感情的な争いであるということを、しっかりと認識しておく必要があります。 遺産分割の初期に対応を誤れば、大きな争いに発展します。感情的な対応は厳に慎むのが、相続争いを避ける一番のポイントなのです。

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